18AW、Sysiphus期のニットです。リックオウエンスがリアルクローズに寄ってきたシーズンです。 品番 RU18F1694 KPAT 超希少なヤクウール100%使用のラグジュアリーなニットです。 見た目は重くて固そうなローゲージニットですが…驚くほど軽く、柔らかく、チクチク感皆無な一枚です。私は裸でニットを着ることはしませんが、気にしない方は素肌の上に着られるレベルの快適さですので驚嘆に値すると思います。 シルエットはリックらしく、袖はスリムで身幅はボックスでジャスト。近年のリックらしく極端な袖丈の長さはありません。 デザイン面ではパッチワーク風のウール切り替えと、近年のリックに見られる背中のボックスプリーツ風のつまみがアクセントです。身長175、普段同ブランドは46〜48着用の私で袖丈も丁度です。 このシーズンはギリシャ神話の一説である、神々を欺いたことで、巨大な岩を山頂まで運ぶという罰を受けたという「SISYPHUS(シーシュポス)」の話をもとにしたコレクションです。巨大な岩は、もう少しで山頂が手に届きそうになると重みで転がり落ち、永遠にこの苦行が繰り返されるといった苦悩を描く物語です。 これに自身を重ね合わせ、消費動向にクリエイションを阻害され、妥協を許さざるを得ないフラストレーション等を業界そのものにぶつけ抗う、といったバックボーンです。 非常に反骨精神に溢れているだけでなく、控えめなデザインのものには通常では選ばれない素材を用いてラグジュアリーさを求めるなど、シンプルな服ほどクオリティを求める傾向があるコレクションでした。このニットにもそれが感じられると思います。 素材の良さはもちろん、ヴィンテージ感を漂わせるレトロな雰囲気はお手持ちのRick Owens以外の洋服にも合わせ易いと思います。 状態はうっすら毛羽がある程度で綺麗です。 スリムなので、よほどタイトなアウターでない限りアームが引っ掛かることもないので着易いと思います。 お好きな方は是非。